親が近所の人に貸していた土地を相続したら返してもらえる?

不動産問題

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  • 焼津・藤枝・牧之原・吉田町・御前崎等での不動産に関する相談をしたい
  • 父が近所の人に月5千円で貸していた土地を相続したが、契約書が見つからない
  • 相手が今も土地を駐車場として使っているので、自分で使うため返してもらいたい
  • 契約書がなければ、すぐに土地から車を移動してもらえるのか知りたい
  • 昔から安い賃料で貸しているが、いつまで貸さなければならないのか分からない

焼津、牧之原、御前崎、藤枝、島田、吉田町等でこのようなことにお悩みですか?
契約書のない土地の貸し借りは、対応を誤ると明渡しまでに思わぬ時間や費用がかかることがあります。
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はじめに

親から土地を相続したところ、その土地を近所の人が駐車場として使っていたというケースがあります。

亡くなった父親に確認することはできず、賃貸借契約書も見つからない。一方で、相手に尋ねると、「お父さんから昔から月5千円で借りています」と言われ、実際に毎月5千円が支払われている。

相続人としては、「自分が相続した土地なのだから、使いたければ返してもらえるのではないか」と考えるかもしれません。

しかし、契約書がないからといって、土地を貸す契約そのものが存在しないことにはなりません。

毎月5千円という対価を受け取って土地を駐車場として使用させていたのであれば、原則として土地の賃貸借契約が成立していた可能性があります。

民法601条も、賃貸借は、物を使用・収益させることと、それに対して賃料を支払うことを当事者が約することで効力を生ずると定めており、通常の土地賃貸借について契約書の作成自体を成立要件とはしていません。

そして、相続人は原則として被相続人の財産上の権利義務を承継します。

そのため、土地の所有権だけを相続し、父親が締結していた賃貸借契約は無関係ということにはなりません。

もっとも、契約期間が定められていない単なる駐車場用地の賃貸借であれば、一定の手続を取ることによって契約を終了させ、土地の返還を求められる可能性があります。

この記事では、契約書のない土地の貸し借りを相続した場合、土地を返してもらうことができるのか、どのような点を確認すべきなのかについて説明します。

契約書がなくても土地の賃貸借契約は成立する?

結論からいうと、成立します。

一般的な土地の賃貸借契約は、「契約書に署名押印しなければ成立しない」というものではありません。

例えば、

  • 父「この土地を駐車場として使っていいよ。毎月5千円払ってください」
  • 近所の人「分かりました」

という合意があり、その後、実際に土地を駐車場として利用し、毎月5千円を支払っていたのであれば、書面がなくても賃貸借契約が成立していたと考えられる可能性があります。

したがって、土地を相続した子どもが、「契約書がないから無断駐車です。明日までに車をどかしてください」と当然に主張できるわけではありません。

まずは、父親と相手との間でどのような契約があったのかを確認する必要があります。

月5千円でも「賃貸借」になる?

賃貸借契約であるためには、土地の使用に対する「賃料」の支払いが合意されていることが基本です。

そのため、月5千円が土地を駐車場として使用することの対価として支払われていたのであれば、周辺の駐車場相場よりかなり安かったとしても、直ちに賃貸借ではなくなるわけではありません。

一方、

  • 「近所の人なので無料で使わせていた。ただ、固定資産税の足しとして年に数万円もらっていた」
  • 「毎月5千円は賃料ではなく、草刈りや管理費の精算だった」

などという事情があれば、賃貸借ではなく使用貸借その他の法律関係が問題になることもあります。

契約書がないケースでは、金額だけで判断するのではなく、

  • 毎月一定額が支払われていたか
  • 振込みなのか現金払いなのか
  • 通帳にはどのような記録が残っているか
  • 領収証があるか
  • 何年間使用しているか
  • 何の目的で土地を貸したのか
  • 父親と相手との間でどのような話がされていたか

などから契約内容を確認することになります。

父が結んだ賃貸借契約は相続人にも引き継がれる?

原則として引き継がれます。

民法896条では、相続人は相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継すると定められています。

土地そのものだけでなく、その土地について父親が賃貸人として有していた権利や負っていた義務についても、基本的には相続の対象となります。

そのため、「父が貸したのであって、自分は貸した覚えがない」という理由だけで契約を無視することはできません。

土地を相続した後も相手から5千円を受け取り続けている場合には、なおさら従来の賃貸借関係を前提とした事情として扱われるでしょう。

土地を自分で使用したいのであれば、現在どのような契約が存在しているのかを確認し、その契約を適切に終了させる必要があります。

駐車場として貸している土地に借地借家法は適用される?

この点は非常に重要です。

土地の賃貸借というと、「借地権があるので、一度貸したらなかなか返してもらえない」というイメージを持つ方もいます。

しかし、借地借家法上の「借地権」は、建物の所有を目的とする土地の賃借権等をいいます。

今回のように、土地を単に自動車の駐車場所として利用しており、借主がその土地に建物を所有することを目的としていないのであれば、通常は借地借家法上の借地権には当たりません。

したがって、建物所有目的の借地のように、借地借家法による強い借主保護が当然に適用されるわけではなく、基本的には民法上の土地賃貸借として考えることになります。

これは、土地を返してもらえるかどうかを検討するうえで大きな違いです。

期間を決めずに貸していた場合、返してもらえる?

契約期間を定めていない土地賃貸借であれば、民法617条が問題になります。

民法617条では、期間の定めのない賃貸借について、各当事者はいつでも解約の申入れをすることができ、土地の賃貸借は解約の申入れから「1年」を経過することで終了するとされています。

例えば、「父が20年前から近所の人に月5千円で駐車場として貸していたが、いつまで貸すという約束はなかった」というケースであれば、相続人から賃貸借契約の解約を申し入れ、原則としてその1年後に契約を終了させ、土地の明渡しを求めることが考えられます。

ここで注意したいのは、「返してほしいと言えば、その日のうちに契約が終わる」わけではないことです。

期間の定めのない土地賃貸借では、原則として解約申入れから1年間という期間があります。

そのため、自宅建築や土地売却など将来の利用予定が決まっているのであれば、早めに対応を検討する必要があります。

「自分で使いたい」という理由がないと解約できない?

単なる駐車場用地としての期間の定めのない土地賃貸借であり、借地借家法が適用されないケースであれば、民法617条に基づく解約について、建物賃貸借などで問題となる「正当事由」と同じ仕組みが当然に要求されるわけではありません。

したがって、

  • 「自分で駐車場として使いたい」
  • 「住宅を建てるため土地を利用したい」
  • 「土地を売却したい」

などの事情がある場合には、解約を申し入れることを検討できます。

もっとも、実際には契約時にどのような約束をしていたのかが重要です。

例えば、

  • 「借主が運転できなくなるまで使ってよい」
  • 「10年間貸す」

などの期間や終了条件についての合意が存在するのであれば、それを無視して民法617条だけで処理できるとは限りません。

契約書がないケースだからこそ、過去の事情を確認する必要があります。

期間を決めて貸していた場合はどうなる?

期間の定めがある賃貸借の場合には、原則としてその期間中は契約関係が続きます。

もっとも、期間内でも解約できる特約がある場合には別です。

民法618条も、期間を定めた賃貸借について解約権を留保していた場合には、617条の規定を準用しています。

問題は、契約書がないため、「そもそも期間を決めていたのか」が分からないケースです。

相手が突然、

  • 「お父さんからずっと使っていいと言われている」
  • 「あと10年間貸す約束だった」

などと主張してくることも考えられます。

このような場合には、口約束の内容について双方の言い分が食い違うことがあります。

振込記録、領収証、メール、手紙、家族の認識など、契約内容を推認できる資料を集めることが重要です。

勝手に車を移動させてもいい?

これは避けるべきです。

土地を相続した所有者であっても、「自分の土地だから」という理由で、現在駐車されている相手の車を勝手にレッカー移動したり、タイヤロックをしたり、出入口を封鎖したりすることはお勧めできません。

賃貸借契約が存続しているのであれば、相手には契約に基づいて土地を使用する権利があります。

また、仮に契約が終了しているとしても、相手が任意に明け渡さない場合には、原則として交渉、土地明渡請求訴訟、強制執行という法的手続によって解決することになります。

いわゆる「自力救済」は原則として認められません。

土地を早く使いたいからといって実力で排除すると、かえって損害賠償など別のトラブルにつながる可能性があります。

土地を返してもらう場合の進め方

まず、父親と相手との間の契約内容を調査します。

通帳、領収証、メール、手紙などを確認し、相手からも、

  • 「いつから借りているのか」
  • 「どのような約束だったのか」
  • 「月5千円は何の名目なのか」

を確認します。

期間の定めのない駐車場用地の賃貸借と判断できるのであれば、解約の意思を明確に伝えます。

後から、「いつ解約を申し入れたのか」が争いにならないよう、内容証明郵便など記録に残る方法を利用することも考えられます。

そのうえで、契約終了時までに土地を明け渡すよう求めます。

相手が応じない場合には、土地明渡請求訴訟を提起し、判決等を得たうえで必要に応じて強制執行を行うことになります。

まとめ

親から相続した土地を第三者が使用している場合、「土地は自分のものになったのだから、返してほしいと言えばすぐ返してもらえる」とは限りません。

特に契約書が残っていない場合には、賃貸借なのか使用貸借なのか、期間の定めがあったのか、どのような目的で貸していたのかなどを、過去の支払状況や当事者間のやり取りから整理する必要があります。

一方、建物所有目的ではない単なる駐車場用地で、期間の定めのない賃貸借であれば、適切に解約を申し入れたうえで土地の返還を求められる可能性があります。

焼津総合法律事務所では、焼津市、藤枝市、牧之原市、島田市、吉田町、御前崎市などを中心に、土地の賃貸借、土地明渡し、相続した不動産をめぐるトラブルなどのご相談を取り扱っています。

親が昔から他人に貸している土地を相続したが契約書がない、自分で土地を使いたいので返してもらいたい、相手が明渡しに応じないといった場合には、実力で土地を取り戻そうとせず、まず契約関係を整理したうえで対応することが大切です。

よくある質問

契約書が見つからなければ、契約は無効ですか?

いいえ。

通常の土地賃貸借は口頭でも成立します。長期間土地を使用させ、毎月賃料を受け取っていた事情があれば、契約書がなくても賃貸借契約が成立している可能性があります。

金額が安すぎる場合でも賃貸借になりますか?

金額が安いというだけで賃貸借でなくなるわけではありません。

土地使用の対価として支払う合意であったのか、それとも単なる謝礼や管理費等であったのかを具体的に確認する必要があります。

父から土地を相続したら、父が結んだ契約も引き継ぐのですか?

原則として引き継ぎます。

相続人は、被相続人の財産上の権利義務を原則として承継するため、土地だけを取得して賃貸借関係を無視することはできません。

駐車場として貸している場合でも借地権がありますか?

建物を所有する目的ではなく、単に駐車場として使用しているのであれば、通常は借地借家法上の「借地権」には該当しません。

基本的には民法上の土地賃貸借として契約終了の可否を検討します。

期間を決めていなければ、すぐ返してもらえますか?

原則としてすぐには終了しません。

期間の定めのない土地賃貸借では、民法617条により、解約申入れから1年を経過することで賃貸借が終了します。

相手が1年経っても車をどかしてくれない場合はどうすればよいですか?

勝手に車を移動させるのではなく、土地明渡請求を検討します。

交渉で解決しない場合には、訴訟を提起し、判決等を取得して強制執行による明渡しを求めるのが原則です。

弁護士に相談するタイミングはいつですか?

契約書がなく契約内容が分からない場合や、相手と契約期間について言い分が食い違っている場合は、解約通知を出す前の段階で相談することを検討してください。

最初の通知内容によって、その後の交渉や訴訟の進め方が変わることがあります。

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裁判所でお互いの主張を行い、証拠を提出するなどして、こちらの請求・主張が認められるかどうか、認められる場合には金額がどれくらいか等を裁判所に判断してもらいます(判決)。

裁判は、大体1~1か月半に1回のペースで行います。裁判所には、焼津総合法律事務所の弁護士が出頭するので、お客様が裁判所に行くことは原則ありません。例外として、証人尋問を行う際などには、裁判所に出頭して頂きます。裁判も、1年近くかかる場合があります。

なお、裁判になった場合必ず判決になるわけではなく、裁判上で和解することも多々あります。

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② 報酬金:委任事務処理により確保した経済的利益の額

経済的利益の額報酬割合
金300万円以下の場合17.6%(税込)
金300万円を超える場合金19万8千円及び経済的利益の11%に相当する額(税込)

※ 最低着手金は22万円(税込)です。
※ 訴訟の場合は、審級ごとに定めます。
※ なお、事件が極めて難解な場合、事務処理量が極めて多くなることが見込まれる場合等、事案の性質によって、増額する場合があります。

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