遺言と異なる遺産分割をすることはできますか

遺産相続

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遺言と異なる遺産分割を行うことは可能

亡くなった方(被相続人)が遺言で遺産分割の割合や方法を定めている場合、通常は被相続人の意思を尊重しその通りに遺産分割を行うのが通常です。

もっとも、被相続人の残した遺言のとおり遺産分割をすると、かえって相続人の意思に沿わなかったり、不利益になる場合もありえます。

たとえば、Aさんが亡くなり、財産として不動産(X土地、Y土地)があるとします。相続人はBさんとCさんの2人です。BさんはX土地を、CさんはY土地の取得をそれぞれ希望し、そのように分ける遺産分割をしたかったのに、「BにY土地を、CにX土地を相続させる」という内容のAさんの遺言が出てきてしまいました。Aさんの遺言はBさん、Cさんが望んだ遺産の分け方ではありませんが、遺言の通り遺産分割するしかないのでしょうか。

結論からいうと、一定の条件を満たす場合には、遺言と異なる遺産分割をすることはできます。具体的にどのような条件を満たさなければいけないのかは、以下で詳しく説明します。

遺言と異なる遺産分割ができる場合

遺言と異なる遺産分割をするためには、以下のような条件を満たす必要があります。

以下では上記①から④について説明します。

① 遺言で遺産分割が禁止されていないこと

被相続人(遺言者)は、遺言によって死亡から5年を越えない期間を定めて遺産分割を禁止することができます(民法第908条1項)。

したがって、遺言と異なる遺産分割を行う前提として、遺言で遺産分割の禁止の定めがないかを確認する必要があります。

② 相続人全員が遺産分割に合意していること

通常の遺産分割と同様ですが、相続人の「全員」遺言と異なる内容の遺産分割で合意する必要があります。全員の合意が得られない場合には、残念ながら遺言の内容通りで進めるほかありません。

遺産分割協議について詳しく知りたい方は、 「遺産の分け方でもめている(遺産分割)」「遺産を分けたい」の記事をご覧ください。

③ 遺言執行者の同意があること(遺言執行者がいる場合)

遺言で遺言執行者が定められており、遺言執行者が相続人以外の者である場合には、遺言執行者の同意を得ることが必要です。

遺言執行者とは、ざっくり言うと遺言の内容を実現するために必要な手続(移転登記や預貯金の解約・名義変更等)をする人のことを言います。遺言執行者がいる場合、相続人は財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為をしてはならないとされているため(民法第1013条第1項)、遺言執行者の同意を得る必要があるといえます。

④ 受遺者の同意があること(受遺者がいる場合)

遺言で相続人以外の人(受遺者)に遺産を贈与する内容が記載されている場合は、受遺者の同意を得ることが必要です。

受遺者の同意を得た後の手続は、包括遺贈の場合と特定遺贈の場合で異なります(詳しくは弁護士にご相談ください)。

まとめ

以上が、遺言と異なる遺産分割ができる場合の条件になりますので参考にしてください。

遺産分割を進めていくに当たっては相続人間との調整・協議や専門知識が不可欠です。遺産分割協議の進め方にご不安のある方は、まずはお気軽に焼津総合法律事務所にご相談ください。

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焼津総合法律事務所の相談室で法律相談を行います。法律相談は、必ず弁護士が対応します。相談には原則2名以上で対応します(相談時の時間帯によっては1名の対応になることをご承知おきください。相談時1名の対応でも、ご依頼後は焼津総合法律事務所に所属する弁護士全員が対応いたしますので、ご安心ください)。

ご相談の際には、資料や時系列をまとめたメモ等をご持参頂けると、弁護士がスムーズに事案を把握し適切なアドバイスが可能ですので、できるかぎりご持参ください。

法律相談では今後の見通しやご相談者がとるべき対応、弁護士費用などについてご説明します。

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委任契約後

ⅰ. 相続財産の確認

お客様から財産関係の資料を受領し、どのような財産があるかを確認します。

ⅱ. 遺言書案の作成

財産関係の資料を整理、弁護士がご希望される遺言書案を作成し、お客様に内容の確認をして頂きます。

ⅲ. 公証役場に公正証書作成の依頼の連絡

遺言書案の内容に問題ないことを確認して頂いた後、弁護士が公証役場に公正証書遺言を作成したい旨の連絡を致します。そして、弁護士から公証役場に財産関係の資料、遺言書案を送付し、公証人と打合せを行います。

公証人は、弁護士が作成した遺言書案を基に、公正証書遺言書案を作成します。

この内容を弁護士、お客様が確認し、問題なければ、実際の作成に移ることになります。

ⅳ. 弁護士と一緒に公証役場へ

公正証書の作成のため、弁護士と一緒に公証役場に出頭します。お体の具合が悪く、外出ができない方の場合は自宅又は病院に公証人が出張することも可能です(出張の費用は別途かかります)。

公正証書遺言の作成には、証人が2人必要です。証人は、相続人以外のものでなければいけません。1名は焼津総合法律事務所の弁護士が証人になりますので、証人を1人ご準備ください。もし証人をご準備できない場合は、焼津総合法律事務所の弁護士又は事務員が証人となりますが、別途日当を頂くことになりますのでご承知おきください(日当は1名分だけです)。

Ⅴ. 公正証書遺言の作成

公証人が公正証書遺言を作成し、終了となります

公証人からは公正証書遺言の正本・謄本の2冊が渡されますが、亡くなられた後の手続で必要になりますので、くれぐれも無くさないようにお願いします。ご希望であれば、有料になりますが焼津総合法律事務所でも保管可能です。

亡くなられた後のこと(遺言執行)

お客様が亡くなられてしまった後、公正証書遺言で焼津総合法律事務所の弁護士が遺言執行者に指定されている場合には、当事務所の弁護士が遺言執行者として不動産の登記手続や預貯金の相続手続を行うことになります。遺言の内容が複雑であったり、財産が多岐にわたる場合は、弁護士を遺言執行者に指定することをおすすめします

弁護士費用

弁護士に依頼する場合、主に以下のような費用がかかります。

着手金弁護士に事件を依頼した段階で発生する費用。事件の結果に関係なく返還されません。また、お客様が途中で解約した場合でも返還はされません。
報酬金事件が成功に終わった場合に、事件終了の段階で発生する費用。
日当弁護士が事件処理のために外出した場合に発生する費用。
実費交通費、郵便代、裁判所に納める手続費用など、事件処理のために発生する費用。

焼津総合法律事務所の相続事件の弁護士費用の目安

焼津総合法律事務所の相続事件の弁護士費用の目安は、以下の通りです(全て税込額)。

① 着手金:事件等の対象となる経済的利益の額

経済的利益の額報酬割合
金300万円以下の場合8.8%(税込)
金300万円を超える場合金9万9千円及び経済的利益の5.5%に相当する額(税込)

② 報酬金:委任事務処理により確保した経済的利益の額

経済的利益の額報酬割合
金300万円以下の場合17.6%(税込)
金300万円を超える場合金19万8千円及び経済的利益の11%に相当する額(税込)

※ 遺言作成費用、遺言執行費用等その他事件類型についてはお問い合わせください。

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